FX、通貨ペアの取引量とシェア, 2022年

テクニカルトレードでインジケータのサインと共に取引量がどの程度あるのか?というのが株などでは重要なファクターです
株式では取引高がどの程度あるかを重視していて、歩み値をトレードに生かす方法もあります
 
FXの場合、それは基本的にありません
株のような取引所が決まっているわけではなく全世界で為替取引が行われており
また、相対取引や店頭取引のようにローカルで実際のレートに影響しない取引があるのもFXの特徴です

取引しているFX業者の顧客での取引量は見られることはあるかもしれませんが、ワールドワイドではリアルタイムではわかりません
(シカゴ・マーカンタイル取引所の通貨取引出来高から類推するという方法もありますが)
 

 
いろいろ探したところ国際決済銀行(BIS)というのがあって3年に一回のサンプリングをしているようです。

通貨取引量シェア

 
BISの OTC foreign exchange turnover in April 2022 から興味深いことが分かります

このBISの調査は世界の外国為替市場及び店頭金利デリバティブ市場に関する包括的な調査で、3 年に一度、調査年の 4 月に実施されています

1986年から3年ごとに実施されて、2022年の調査では52の国・地域の1,200 以上の金融機関が参加しています
日本からは、銀行および証券会社(ともに外資系金融機関を含む)の合計42社が参加したようです

2016 2019 2022
Currency pair Amount share % Amount share % Amount share %
USD / EUR 1,172 23.1 1,584 24.0 1,706 22.7
USD / JPY 901 17.8 871 13.2 1,014 13.5
USD / GBP 470 9.3 630 9.6 714 9.5
USD / CNY 192 3.8 269 4.1 495 6.6
USD / CAD 218 4.3 287 4.4 410 5.5
USD / AUD 262 5.2 358 5.4 381 5.1
USD / CHF 180 3.6 228 3.5 293 3.9
EUR / GBP 100 2.0 131 2.0 154 2.0
EUR / JPY 79 1.6 114 1.7 103 1.4
EUR / CHF 44 0.9 73 1.1 68 0.9
EUR / SEK 36 0.7 36 0.5 38 0.5
EUR / NOK 28 0.6 33 0.5 36 0.5
EUR / AUD 16 0.3 18 0.3 24 0.3
EUR / CAD 14 0.3 15 0.2 20 0.3
JPY / AUD 31 0.6 35 0.5 37 0.5
JPY / CAD 7 0.1 7 0.1 10 0.1
JPY / NZD 5 0.1 6 0.1 5 0.1
JPY / TRY 3 0.1 6 0.1
JPY / ZAR 3 0.1 5 0.1 5 0.1
Others 1305 25.5 1884 28.6 1,995 26.5
Total 5,066 100.0 6,590 100.0 7,508 100.0

 
2022/4でのデイリー平均のようです。取引量単位は1billion US$(約1000億円程度)です。

2022年はAUD、CADのシェアが落ちてCNY(CNH)が上がっています。
– CNYは中国国内市場で取引されるもので制限がある
– CNHは香港オフショア市場などで取引され取り扱うFX業者もある

これを見るとFX業者で取り扱う通過ペアが10種類から20種類程度なのが納得します。 
FX取引で主に使われている通貨ペアとしてみるとこのようになります。

Currency pair share %
EURUSD 22.7
USDJPY 13.5
GBPUSD 9.5
CNYUSD 6.6
USDCAD 5.5
AUDUSD 5.1
USDCHF 3.9
EURGBP 2.0
Others 31.2

 
 
Reference:
OTC foreign exchange turnover in April 2022
Foreign exchange turnover in April 2019
「外国為替およびデリバティブに関する中央銀行サーベイ」の解説 – 日本銀行金融市場局
2022 年 BIS 世界外国為替市場調査について – 公益財団法人 国際通貨研究所




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