自動売買(EA)が儲かるか損するか、机上の議論を述べる記事はたくさんありますが、ここでは実際に身銭を切った結果をお知らせします。
以前、勉強もかねていくつかのEAを購入しました。数年が経過し、その後どうなったのかを見てみたいと思います。
※2026年10月時点の成績に更新しました。
自動売買 EA
なお、私はEAを否定する者ではありません。
個人的にEAを作成したいという思いがあり、「購入者という立場」でどんなものか試してみようと考えたのです。
結論から言うと、6個のEAを購入して、現在も販売されているのは1個だけで、そのEAも損益はほぼトントンの状態です。
私はおおむね半年で購入金額、つまり元が取れたところで止めました。
1. EA001(販売中止)
2. EA002(販売中止)
3. EA003(販売中)
4. EA004(販売中止)
5. EA005(販売中止)
6. EA006(販売中止)
7. まとめ
8. 期待できそうなEA
EA001(販売中止)
購入者が1,223人もいる人気EAでしたが、既に販売中止になっています。

こちらはGogoJungleのフォワードテストの成績です。
フォワードテストは、EAの販売後にGogoJungleが用意した口座(主にデモ口座)で実際に稼働させた記録で、開発者は結果に直接手を出せません。ただし、成績が悪いときにバージョンアップで改善版を出すことはあります。
バックテストは、過去のデータでそのEAを動かした結果です。ロジックが意図どおりに動くかの確認にはなりますが、将来の成績を保証するものではありません。過去と同じような相場にならなければ、フォワードテストでは思ったように動かないわけです。
2018年12月18日からの運用で、最初の半年は利益が出ていましたが、その後はバージョンアップを繰り返しても思わしくない結果になっています。

このグラフの縦軸は収益(円)、横軸は日付です。この時点で損益がマイナス20万円まで下落しています。2026年10月時点でも通算 -215,844円(PF0.97)と、マイナスのままです。
開発者による2006年1月3日〜2019年5月13日のバックテストでは、まずまずの成績になるはずでした。

バックテストのグラフは、縦軸が口座残高、横軸がトレード回数です。
9,000回以上のトレードで残高が約1万から約2.7万に増え、きれいな右肩上がりになっています。
振り返り
- このEAにはいくつかの評価記事があり、同じシリーズの前のEAがそれなりにいい成績でした。
1,200人以上が購入したのも、それらの記事で注目度が上がったからだと思います。 - ただ、第三者による評価記事といっても、その時点ではバックテストでしか評価していなかったのが問題だったのでしょう。
ちなみに、その記事は今はリンク切れで見当たりません。 - 個人的には、2019年1月に購入してしばらく使っていましたが、購入金額を稼いだところで利益の伸びが悪くなり、7月には停止しました。
EA002(販売中止)
これはいわゆるナンピン・マーチン系のEAです。ナンピンは含み損のポジションと同じ方向にポジションを追加して平均取得価格を有利にする手法、マーチン(マーチンゲール)は負けるたびにロットを大きくしていく手法です。こちらも1,500人以上が購入しています。
毎日トレードして利益が少しずつ増えていくので気持ちのいいEAではあり、そういう意味でナンピン・マーチンは麻薬的です。

約3年半のフォワードテストで、ピーク時は470万円ほどの利益になっていましたが、その後は下落の一途で100万円以下にまで落ち込みました。
(販売中止になりました)
2026年10月時点の通算は -1,216,580円(最大ドローダウン 33.10%)と、マイナスに転じています。
こちらは開発者提供のバックテストですが、2017年の1年間だけしかありません。

他の購入者のものと思われるバックテスト結果が公式ページに載っていました。
このテストでは証拠金を約5,000万円にしていて、最大ドローダウンは約4,000万円とのことでした。
振り返り
- このフォワードテストを見ると、3年間利益が出ていても、ある時から全く儲からなくなるEAがあるということです。相場が変わったのか、数年すればまた盛り返すのかはわかりません。
- そもそも証拠金100万円ではバックテストが最後まで通らず、数千万円の証拠金にしないとテストできないEAだと気がつきました。EAは購入しないとバックテストを確認できないのが難点です。バックテストを信用しすぎるのも問題ですが、まともにバックテストができないものはリスクが高いということでしょう。
- しばらく使って利益が購入金額を超えたところで止めましたが、コミュニティでは証拠金を少なく始めた人が口座を溶かしているようでした。
EA003(販売中)
巷では有名な開発者さんのEAです。
時々販売を停止していたようですが、販売を再開し、2026年10月時点でも販売中です。
購入者数は1,151人となっています。

運用3年を過ぎたころから利益が出なくなり、損失が先行するようになりました。
時々販売を停止して購入者を絞るのはなぜでしょうか。同じEAで同じタイミングに大量のロットで注文する人が増えるのを避けたいのかもしれません。

2026年10月時点の通算は -31,789円(PF1.00)で、損益はほぼトントンです。
このバックテストは2003年5月5日〜2020年8月5日の期間で、開発者ではなく販売元が有料のヒストリカルデータを使って行ったものだと思います。
振り返り
- このフォワードテストでは、3年間利益が出て、その後2年間損失が続きました。
- 「結果が全て。言い訳なし」というレビューがありました。利益が出ている時期は称賛のレビューが多かったのですが…。
- 個人的には、このEAではあまり利益が出なかったので早々に撤退しました。
EA004(販売中止)
こちらの作者さんはたくさんEAを作成しています。ナンピン・マーチン系ですが、比較的いい感じで使っていました。しかし、ナンピン・マーチンの罠にはまってしまい、破綻に至る前にやめました。
後で見たら販売停止になっていました。

こちらのフォワードテストのオレンジのラインは含み損益を含めた収益なので、含み損が最大40万円程度まで膨らんだということです。
販売停止後もフォワードテストは継続していて、2年ほど経ってから不思議と利益が出るようになり、利益が40万円を超えました。
2026年10月時点の通算は +783,406円(PF1.44)ですが、最大ドローダウンは34.07%と大きく、ナンピン系らしい成績です。

2005年4月11日〜2019年1月11日の期間のバックテストです。フォワードテストのような損失は見られず、きれいな右肩上がりになっています。
振り返り
- このEAは当初安定して利益が出ていたのでそのまま使っていましたが、あるところでナンピン・マーチンの罠にかかり、含み損を抱えたままになりました。途中でEAを止め、裁量トレードで元に戻るまでしばらくメンテナンスすることになってしまいました(これに半年くらいかかりました)。
- やはりナンピン・マーチンを甘く見てはいけないということです。後から利益が出るようになったのは結果論で、途中で証拠金が尽きれば回復を待つこともできません。
EA005(販売中止)
↑と同じ作者のEAです。全くエントリーしないのでやめてしまいましたが、その後損失がかさんで販売中止になっています。
販売中止後もフォワードテストは継続していて、一時は安定して利益が出ていましたが、2026年10月時点の通算は -204,602円(PF0.82)とマイナスです。


2005年4月8日〜2019年2月4日のバックテストです。
振り返り
- 開発者は、トレード頻度が多いので「爆発的な資産増加」も狙えるとコメントしていましたが、フォワードテストでは逆に、ある期間で損失を爆発的に膨らませてしまいました。それがなければ、それほど悪い結果にはなっていなかったのではと想像します。
EA006(販売中止)
これはロジックが危なっかしかったので、早々に元を取ったところでやめましたが、既に販売中止になっていました。

興味深いのは、2020年3月のコロナショックの影響をもろに受けて -100万円になっていることで、実質的に破綻といってよい状態です。
2026年10月時点の通算は -1,022,600円(PF0.28)です。

2005年1月11日〜2019年2月15日のバックテストですが、指数関数的な伸びになっています。
振り返り
- カーブフィッティング(過去のデータに合わせて最適化しすぎること)ではないかと思います。安定して損失を重ね、時々大きく負けるという、バックテストとは真逆の結果です。
- 個人的には数回のトレードでたまたま利益になったところでやめましたが、そのまま運用していたら大変なことになっていたかもしれません。
まとめ
2026年10月時点のフォワード成績
| EA | 販売状況 | 通算損益 | PF | 最大DD |
| EA001 | 販売中止 | -215,844円 | 0.97 | 38.07% |
| EA002 | 販売中止 | -1,216,580円 | 0.96 | 33.10% |
| EA003 | 販売中 | -31,789円 | 1.00 | 27.93% |
| EA004 | 販売中止 | +783,406円 | 1.44 | 34.07% |
| EA005 | 販売中止 | -204,602円 | 0.82 | 32.16% |
| EA006 | 販売中止 | -1,022,600円 | 0.28 | 39.37% |
購入した6つのEAは、3年以上の期間で見ると、継続して利益を出し続けているものはありませんでした。通算でプラスなのはEA004だけで、それも大きな含み損の時期を経たうえでの結果です。
購入前に判断できるのはバックテストと短いフォワードテストだけですが、バックテストはあまり信用できないということでしょう。もっとも、バックテストがおかしいものは論外です。
結局のところ、フォワードテストでの利益が長期間続いているかどうかで判断するのが賢明です。
また、開発者がパラメーターのメンテナンスをこまめに行っていると思われるものは、フォワードテストが短くても期待できるかもしれません。
EAを選ぶときのチェックポイント
- フォワードテストが少なくとも2〜3年あり、バックテストとかけ離れた成績になっていないか
- ナンピン・マーチン系ではないか(最大ポジション数が多い、推奨証拠金が極端に大きいものは要注意)
- 最大ドローダウンと推奨証拠金を見て、自分の資金で耐えられるか
- バックテストが不自然なほどきれいな右肩上がりや、指数関数的な伸びになっていないか(カーブフィッティングの疑い)
- MT4用かMT5用か。MT4用のEAはMT5では動かず、OANDA証券のようにMT4の提供を終了する業者もあります(OANDA証券は2026年11月27日に終了)
バックテストの見方は、こちらの記事で詳しく説明しています。
EAの始め方(業者・VPSの準備)はこちらです。
期待できそうなEA
儲からないEAばかりで暗くなりそうですが、こちらのIam Clown FX(赤)は比較的安定しています。
なによりロジックがRSIを使ったシンプルなEAです。
このEAも購入したのですが、時期がちょうど2020年末だったので、半年間は我慢の時期でした。その後は盛り返しています。
2026年10月時点のフォワードテスト(通算)は +244,566円、PF1.12、最大ドローダウン15.19%で、2015年1月の販売開始から10年以上たった現在も通算でプラスです。ただしPFは1.1程度と控えめで、バックテストほどの成績ではありません。
こちら⇩のグラフは、そのEAを購入者がどの程度使っているか(稼働率)を表しています。
画像の時点(2022年ごろ)で、Iam Clown FX(赤)はフォワードテスト約7年半・稼働率36%と、数千以上あるEAの中でも比較的優良なEAと判断できそうです。




















