オーストラリアドルと銅価格の相関性

AUD(豪ドル)は中国経済の影響を受けやすい通貨です。
オーストラリアは中国に鉄鉱石などの資源を大量に輸出しており、中国の産業が活発になればオーストラリアの輸出が増えると予想されます。中でも、景気の動きに敏感な銅の価格とは相関性がありそうです。

一方で、オーストラリアと中国の関係は近年大きく揺れ動きました。中国による政治家への献金などを通じた影響工作が問題視されたことや、2020年に新型コロナの発生源をめぐる独立調査をオーストラリアが求めたことで関係が悪化し、中国は大麦・ワイン・石炭・牛肉・ロブスターなどに追加関税や事実上の輸入停止措置をとりました。その後、2022年以降に対話が再開され、これらの制限は2024年までにほぼ解除されています。オーストラリアは中国への過度な依存を減らしつつ、最大の貿易相手国として関係を維持する、という新たなフェーズに入っています。

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目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画

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豪ドルと銅

 Photo by Keith Zhu on Unsplash 

TradingView で豪ドル(AUD/USD)と銅価格(XCU/USD)を比較してみました。
 

 
銅は電線や電気機器など、電力関連では欠かせない金属で、近年は電気自動車や再生可能エネルギー、データセンター向けの需要も増えています。端的に言えば、産業が活発になるほど消費されるため、景気との相関性があると言えるでしょう。
 

 

オーストラリアの輸出と中国

 主要貿易相手国:

2024年のオーストラリアの輸出・輸入とも、中国がダントツの1位です。

区分 総額 1位 2位 3位
輸出 5,170億豪ドル 中国35% 日本14% 韓国8%
輸入 4,300億豪ドル 中国26% 米国12% 日本6%

Ref:外務省「オーストラリア基礎データ」(豪州外務貿易省統計、2024年)
 
主要輸出品目:
ただし、輸出の主役は鉄鉱石・石炭・天然ガスで、銅(鉱石・地金)の輸出はそれほど多くありません。

順位 品目 輸出に占める割合
1位 鉄鉱石 18.0%
2位 石炭 11.0%
3位 天然ガス 10.0%
4位 教育関連旅行サービス(留学生) 8.3%
5位 金 7.3%
15位 銅鉱石・精鉱 1.1%
17位 銅(地金) 0.9%

Ref:豪州外務貿易省(DFAT)2024-25年度 輸出上位25品目
 
オーストラリアは鉱物資源が豊富で、銅鉱石はその1つです。鉱石のほか、地金に加工した銅も生産しています。

主要鉱産物 品目
鉱石 銅、鉛、亜鉛、ニッケル、金、銀、ボーキサイト、イルメナイト、ルチル、ジルコン、鉄、リチウム、ウラン
地金 アルミナ、アルミニウム、銅、金、鉛、鉛(ブリオン)、粗鋼及び銑鉄、ニッケル、銀、合成ルチル、酸化チタン、亜鉛

Ref:JOGMEC「世界の鉱業の趨勢2017 オーストラリア」
 
各国の銅の埋蔵量・生産量・消費量を見てみると、中国は消費量が圧倒的に多く世界の半分を超えており、世界中から銅を輸入していると考えられます。一方、オーストラリアは埋蔵量では世界トップクラスなのに、鉱山生産量のシェアは3%程度にとどまっています。

項目 1位 2位 3位
銅埋蔵量 チリ(18%) 豪州(10%) ペルー(9%)
銅鉱山生産量 チリ(23%) コンゴ民主共和国(14%) ペルー(12%)
銅消費量 中国(50%超) – –

Ref:USGS Mineral Commodity Summaries 2026 Copper(埋蔵量・生産量は2025年推定値から算出。豪州の埋蔵量1億トンには国際基準外の分も含む)、消費量は2025年
 
以上のデータから、オーストラリアは銅の生産量が世界で一番多いわけではなく、オーストラリアの銅を中国が買っている、という単純な構図ではないことがわかります。豪ドルと銅価格の連動は、「中国の景気が良くなる → 資源全般の需要が増える → 鉄鉱石や銅などの価格が上がる → 資源国の豪ドルが買われる」という、景気を通じたつながりと考えるのがよさそうです。

 

金・銀との相関性

 

AUDは銀や金とも相関性があると聞いたことがありますが、どうでしょうか。

銀(XAG/USD)とAUD/USDの比較です。


 
金(XAU/USD)とAUD/USDの比較です。

金も銀も、相関性がある時期とない時期があるということです。それぞれの状況によるのかもしれません。
特に金は景気悪化時に「安全資産」として買われやすいため、景気が良いときに買われやすい豪ドルとは逆の動きになるケースもありそうです。なお、金はオーストラリアの輸出品目の第5位でもあります。
 

 
References:
オーストラリア基礎データ|外務省 – Ministry of Foreign Affairs
世界の鉱業の趨勢2017 オーストラリア – JOGMEC
USGS Mineral Commodity Summaries 2026 – Copper

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