仲値とゴトー日をうまく利用するFXトレードは本当に利益になるのでしょうか?MT4のEAを使って検証してみます。
ゴトー日
ゴトー日とは(あるいはゴトウ日)などと呼ばれる5の倍数の日のことです。
5日・10日・15日・・・30日(月末)などは企業や銀行の資金決済が多くなるため、実需のドル需要が多くなるため ドル高円安傾向 があると言われています。
米ドル円の通貨ペアで、ゴトー日の9:55直後から売りを仕掛けて13:30に決済するだけで利益になりそうです。
またこれは金曜日に顕著にみられる現象といわれていて、例えば下のような日付になります。
20日は土曜日なので前倒しになり、30日は31日が月末なのでそちらを取ります。
また、これと関連しているのが 仲値 で9:55分までUSDJPYが上昇してから下落に転じるという偏りがあると言われています。
1. 5の倍数日
2. 金曜日&月末
3. 祝祭日
4. まとめ
5. (おまけ)仲値EA
5.1 東京仲値
5.2 仲値の極み
5.3 梓弓_USDJPY
5.4 時間は平等
5.5 ルールメイカー
5.6 東京神話
5.7 アノマリーマスター
5.8 Gna USDJPY
5の倍数日
MQL4を使って簡単な検証用EAを作成します。
- 設定時間でエントリーして決済
- TPは80pips、SLは50pips(途中で決済されないように余裕をもって設定)
- 時間差調整、日本時間GMT+9、夏時間、サーバー時間の調整
MT4の時間がGMTそのものでなく+2時間や+3時間(夏時間)というのはどう言うことでしょうか? 結論としては、NewYo... - 5の倍数日のみのエントリー
5の倍数日のみに、
9:30に買いエントリーを行い、9:54に売りで決済
9:55に売りエントリーで13:30に決済するEAを作成
総取引 | 勝率 | 損益 | 最大DD | PF |
1732 | 59.41% | ¥474,122 | 1.56% | 1.68 |
PFが1.68でまあまあいいですね。
補足)
このグラフは横軸がトレードで、ほぼ時間軸で縦軸が損益になります
1,000,000から始めているのでそれ以下は損失、それ以上は利益という事です
金曜日&月末
金曜日:
仲値トレード検証では金曜日に利益が出ているという結果がありました。
実際、ゴトー日が土日になる場合は前倒しで金曜日になるようです。
総取引 | 勝率 | 損益 | 最大DD | PF |
3158 | 59.69% | ¥854,582 | 2.19% | 1.65 |
金曜日&月末:
月末がゴトー日に相当する場合、例えば30日ではなく31日が該当
あるいは2月は28日、29日が月末になります。
その辺りを考慮してみると、
総取引 | 勝率 | 損益 | 最大DD | PF |
3137 | 60.12% | ¥856,892 | 1.92% | 1.65 |
全体的に見てあまり変わらないようにも見えます。
Quant Analyzer で分析してみると、
5日、10日などゴトー日でのトレードで利益になっていますが、金曜日にもトレードをするのでそれなりに分散しているのがわかります。
曜日別にみると金曜での利益が大きいと分かります。
買い:
買いと売りを合わせてのトレードでしたが、買いのみをテストしてみると、
総取引 | 勝率 | 損益 | 最大DD | PF |
1569 | 58.25% | ¥213,890 | 1.33% | 1.44 |
売りでの利益が買いの2倍はありそうです。
スプレッド1.0:
注意点としては、上の検証はスプレッドを0.3pips固定でのケースです
実際に0.3pipsのFXブローカーは限られています。また海外ブローカーは1.5pips以上あるものもあります。
スプレッド 1.5pips固定でのケース
総取引 | 勝率 | 損益 | 最大DD | PF |
3137 | 54.83% | ¥470,182 | 2.98% | 1.32 |
利益が半減していますが、このくらいが現実的かもしれません
祝祭日
日本の祝日:
もう一つ考慮するものがあるとすると、日本の祝祭日は銀行がお休みなので仲値トレードができないということです。
但し、国民の祝日は昨今よく変わるうえに、日曜日と重なると振替休日になります。
これについては祝日テーブルを作るベタなやり方しかないようなので今回はパスします。
アメリカ祝日:
因みに、アメリカ祝日も外したほうがいいという意見もあります
日本と同じように銀行やってないだろうという理由ですが
- そもそも日本の仲値時間はアメリカは夜
- アメリカの祝日の多くが月曜日
- 日本ほど全国一律ではなく州によって違いがあり、合衆国としては少ない
ということであまり意味が無いと思っています
これも検証しましたが、勝率が上がっても総利益が減少する結果となりました
まとめ
ゴトー日での仲値トレードはある程度の利益が出そうです。
裁量トレード:
毎日の仲値トレードに比べて勝率、PFがいい結果になりました。但し、取引回数が少ないのでのトータル利益は少なくなります。
また、買いトレードよりは9:55直後からの売りが倍程度の利益になりそうです。
EA:
自動なので貪欲に買いも売りもできそうです。買いは短時間ですが、もっと前から仕込むこともありかもしれません。
売りについてはクロージングロジックやトレーリングストップを追加する余地があります。
いずれにしても、スプレッドが狭いFXブローカーでないと利益が出ないと推測できるため海外のブローカーは1.5pips前後なのでその分f不利です
以下、国内FX業者のUSDJPYのスプレッド(いわゆる平常時のスプレッド)です
- ゴールデンウェイジャパン:
- 0.1pips
- FXTFから名前を変えました
- EAは通貨量に応じて手数料がかかります
- スプレッドが狭いだけでシステム的には?です
- 他の通貨ペアではむしろスプレッドが大きかったりします
- OANDA JAPAN:
- 0.3pips TKYサーバーですが1万通貨以上
- 0.8pips、NYサーバーはEAはプロコースになり1000通貨から可能
- 外為ファイネスト:
- 0.4~0.8pips
- 楽天証券(FX):
- 0.5pips
- FOREX EXCHANGE:
- 0.7pips程度
注意)上記は原則固定などのスプレッドですが、例外なく相場の状況でスプレッドは大きく変化します。なので固定というので誤解してはいけません
追記)9:55辺りでスプレッドが増大しているため、スプレッド制限を設けているEAではエントリーしないという事が起きていると想像されます
(おまけ)仲値ゴトー日・仲値EA
具体的に仲値を使った自動売買EAについて紹介します
仲値ゴトー日だけでなく他の手法も追加しているものが多いです
これらはGogpJungleから購入できます
東京仲値
フォワードテストとEA説明から
- 9:30に買い、9:54分に手仕舞い
- 9:55分に売りエントリーで後は何かのロジックで手仕舞い
毎日エントリーするのでエントリー回数は多い
ポジションが10万通貨程度でSLが15pipsなので負けたときは-15000円です。
安定的かどうかは微妙です。
Gogojungle の計算している推奨証拠金が約250万なので
ちょっとレバレッジが高い気がします。
資金が少ない人、例えば証拠金10万円だと4000通貨程度にしないと破綻します
バックテストはまあまあ右肩上がりのカーブではありますが
2021年以降はあまり芳しくないですね
ただ、このトレード結果は非常に勉強になります
仲値の極み
こちらは仲値の売買だけでなくゴトー日と金曜日の売買も合わせたものです。
- 買い①:ゴトー日(実質ゴトー日含む)の仲値時刻から数時間前にエントリー(月曜以外)、仲値時刻に決済(SL50,TP18)
- 買い②:平日、仲値時刻の数十分前にエントリー、仲値時刻直前で決済(SL60,TP50)
- 売り①:金曜日の仲値時刻にエントリー、数時間後に決済(SL30,TP8)
- 売り②:平日、仲値時刻にエントリー、数時間後に決済(SL25,TP60)
それに沿ったトレードで大丈夫そうです
2022年以降はあまり順調とは言えませんね(こちらだけでは無いですが)
梓弓_USDJPY
こちらのロジックも同様に仲値とゴトー日トレードの組み合わせ
- 5の倍数の日(土日の時は前日)に、9:30に買い、9:54に決済
- 毎日、9:55に売りで当日午後3時に決済
こちらもバックテストはきれいなカーブです。
もう少しロジックを柔軟に変えてもよさそうな気もします
実際そのような要望もあります
他の仲値EAと比べて収益がいまいちなのもそのせいかもしれません
時間は平等
こちらは仲値からの売りをメインにして、9:55までの買いポジションは
ゴトー日だけのようです。
きっちり1分なのか数秒なのかによります
ゴトー日に厚めのポジションになりますが
月末は最重要だと思いますが、みすみす損失を増やしているのが気になります
また推奨証拠金が170万程度なので、証拠金が少ない場合はエントリーポジションを計算しないとまずい
ルールメイカー
これは仲値トレードだけではなく、様々なテクニカル手法を組み合わせてEAを自分のルールにカスタマイズできるというものです。
仲値EAでパラメーター設定をカスタマイズできるようにしているので
自分で研究し裁量でやりたり人向けにはいいでしょう
因みに、フォワードテストでは当初あまり良くない結果ですが
2022年7月のバージョンアップから金曜だけにしたようで、結果的に良くなっています
その前は月末に絞っていたようで、これはこれでいい実証実験になっているかもしれません
東京神話
ゴトー日など、仲値トレードの優位性がある日にトレードを行うEA
有名なカイベ氏のEA(すべてのEAがいいとは限りませんが)
– 買い
深夜のなるべく安値で買いポジションを仕込み、仲値付近の高値で決済
– 売り
仲値付近の高値で売りポジションを仕込み、なるべく安値になった所で決済
2つのロジックで取引回数アップとパフォーマンスの平準化を図り、ロジックの
ロバスト性を担保するストラテジーのようです
リアル運用と
公式運用が多少違いがあります
この差はFX業者の違いなのか、興味深いですね
実際、業者による差はいい悪いに関係なく存在します
アノマリーマスター
こちらは特にトレード方法には言及されていませんが
USDJPYで9:55からの売りが多いので明らかに仲値からの売りトレード方法を中心としています。
仲値で決済、そして売りポジション
月の始めはエントリーを控えて
金曜を中心にトレードのようです
推奨証拠金が100万でポジションが10万です
負けるときは数万行くのでちょといたそうです
Gna USDJPY
8月からのバージョンアップでの勝率が高い
12月からロットを上げたので今後が楽しみ
意外とゴトー日だけでは利益にならなくなったからでしょう